皆瀬くん、今日は欠席じゃなくて、ずっと保健室にいたの?
それに、何気に皆瀬くんと話すの初めてだし。
それにそれに!
今、わたしの名前を呼んでくれたし。
いろいろとびっくりして、どう反応したらいいか戸惑う。
「頬、怪我してるな。もしかして、さっきの騒ぎで?」
「あ、は、はい」
「どうして敬語なの」
皆瀬くんが、朗らかに笑う。
その笑顔に、ぐちゃぐちゃだった心が落ち着いていく。
「同じクラスなんだからタメ口でいいよ」
「は、はい!……あ、えっと……う、うん、わかった」
しどろもどろに返事をするわたしに、皆瀬くんがまた笑った。
「俺でよかったら、手当てしようか?」
え?皆瀬くんが?



