怖くてたまらなくなって、この場から走って逃げ出した。
涙があふれて、顔が歪む。
ねぇ。
わたしが、何をしたっていうの?
ただ、助けようとしただけ、なのに。
どうして、こんなことになっちゃうの?
いくら願ったって、孤独感が膨らんでいくだけなら、どうすればよかったの?
何もしなければよかったの?
本当に?
咲間さんを助けたことに、後悔はない。
だけど。
だけど……っ。
無我夢中で走っていたら、いつの間にか保健室前に来ていた。
そういえば、右頬にガラスの破片がかすって、傷ついてたんだった。
絆創膏もらっておかないと。
目尻にたまった涙を拭って、保健室の扉をガラッと開けた。



