どんな君でも、愛おしくてたまらない。




先生たちが危険だからと、集まってきた生徒を追い払おうとするが、なかなか生徒は言うことを聞こうとしない。


野次馬たちは、わたしの噂の真偽を確かめることに注目していた。




息を呑んだ。



周りの視線が全部、わたしに注がれる。


恐怖、悪意、困惑、吃驚。


トゲを含んだ感情が、グサグサわたしを突き刺す。



頬の傷よりも、胸のほうがずっと痛い。




……見ないで。


わたしの秘密を、見ないでよ。



やめて。




「本当にバケモノみたいじゃん」




バケモノじゃない。


そう反論したくてもできない。



言われなくても、自分のことは自分が一番よくわかっているから。