昼休み。
昼食を食べ終えたわたしは、職員室に向かっていた。
冬木先生に伝えておかないと。
来週の月曜日は午後から来ます、って。
そう伝えるだけで意味を汲んでくれるはずだ。
先生たちはみんな、知っている。
わたしの秘密も、噂の真相も。
転校する直前に、前もって話しておいたんだ。
事情を打ち明けたとき、お願いしたことがある。
『このことは、先生たち以外、誰にも言わないでください。クラスメイトにも、町の人にも』
本当は、先生たちにだって話したくなかった。
誰にも知られたくなかった。
未だに慣れない秘密を、
以前とは違う自分自身を、
どう思われるかわからない不安を、
わたしでさえ受け入れられていなかったから。



