もしかしたら、わたしの時間は、去年のクリスマスイブで止まっているのかもしれない。
あの日から、一歩も前に進めていない。
かけがえのないものを失ってしまった苦しさに、今もなお、もがいてる。
翌日。
今日もやはり、学校にわたしの居場所はない。
キーンコーンカーンコーン、とチャイムが鳴り、一時間目が始まった。
本日最初の授業は、冬木先生の国語だ。
授業中は比較的、気が楽。
クラスメイトのほとんどが授業に集中してるから、わたしに冷たい眼差しを浴びせたり噂したりすることがない。
でも……。
「係り結びが出てきたときは、文末の活用系が連体形か已然形になります」
冬木先生の説明に耳を澄ましつつ、横目に皆瀬くんの席を盗み見る。



