どんな君でも、愛おしくてたまらない。






一日は、長い。


独りだと、時間が経つのが遅く感じる。




放課後になっても、冷ややかな目も噂もわたしにつきまとう。


わたしは急いでカバンに荷物を詰め込んで、そそくさと教室を出て行った。



下駄箱で靴を履き替えて、身を縮こませながら早足で帰路をたどる。




夕日に照らされて、影が濃くなる。



「はあ……」



独りきりの帰り道に、一つのため息が落ちた。


やっと、今日が終わる。

疲れたな。



わたしに向けられたトゲや黒い感情、不審感や重圧が、日に日に募って、重荷になっていく。


ソレを取り払うこともできず、跳ね返すこともできず。


辛い、と吐き出す相手もいない。



「……淋しいよ」