わたしの左手じゃ、涙の温度はわからない。
けれど、環くんの頬が涙で濡れてしまわないよう、優しく拭うことはできる。
「環くんのことを教えてくれてありがとう」
わたしは朗らかに微笑む。
「今までよりも、もっと、環くんを好きになった」
環くんが背負っている秘密は、重くて苦しくて、簡単に「大丈夫だよ」と言うことはできないものだったかもしれない。
それでも、気持ちは変わらない。
八年前、ここで会ったときから、ずっと。
「大好きだよ、環くん」
どんな環くんでも、愛おしくてたまらない。
だって、環くんは、わたしにとって
誰よりも、何よりも、
大切で特別な人だから。



