「俺は、泣けない。……泣いたら、ダメだ」
ほら。
そんなこと言うくせに、泣きそうになってる。
涙を、飲み込んでる。
「これから先、死ぬときさえもきっと独りなのに、いちいち泣いてなんかいられないよ」
「わたしには『泣いてもいいんだよ』って言ってくれたじゃん!」
「莉子ちゃんは独りじゃない。俺と違って、未来に希望がある。だから言ったんだ」
環くんは、わたしを助けてくれたのに。
わたしも助けたいのに。
なんで独りに慣れようとしているの?
わたし、知ってるよ。
孤独に溺れる、大嫌いな息苦しさを。
嫌だよ。
自ら溺れに行かないで。
独りを望まないで。
そんなものに慣れないでよ。
「泣いちゃいけない人なんていない!」
わたしの叫びと化した大声が、わたしと環くんしかいない公園に反響した。



