環くんは胸元をシャツの上からギュッと握った。
環くんを襲う苦痛が、わたしにまで伝染する。
そんな表情、しないで。
「いつも一人で行動してたのも、それが理由?」
「ああ。明日死ぬかも、百年後まで生きるかもわからないのに、関わりすぎたら、再会したときに俺の変わらない姿を見て怖がらせてしまうだろ?」
環くんは静かに、自分を嘲笑った。
「それじゃあ、どうして」
衝動的に、一歩、前に出る。
どうして。
「わたしに優しくしてくれたの?」
特別なんじゃないかと、勘違いしちゃうくらいに。
未熟な鼓動に、焦がれた。



