「俺、今中学生をやってるけど、本当は十八歳なんだよ」
本来なら高校三年生ってこと?
大人っぽく感じるのは、実際わたしより年上だったからなんだ。
「中学生活はこれで二回目。親が政治家で金だけはあったから、前の中学とは離れたこの町の中学で、先生に事情と金を渡して、また一年からやり直した」
もしかして、この前テレビで見た、環くんと面影が似ている政治家が環くんのお父さんだったのだろうか。
環くんは「まあ、でも」と続ける。
「親はバケモノみたいな俺を気味悪がって、金ならやるから出てけって追い出したんだけどね」
「そんな、ひどい……!」
「そういうこともあって、成長が遅いのは病気のせいだとはっきり発覚した八年前から、親戚の家を転々としてる」
やっと、孤独の意味がわかった。
環くんはずっと独りで、堪えてきたんだ。
更けていく夜も、訪れる朝も。
生きていく辛さも、闇に潜む淋しさも。
「どうして、高校には行かなかったの?」
「高校生には、どうしてもなれなかった。こんな、成長しない俺が、大人になっていくみんなに紛れちゃダメだって思ったんだ」



