“あのときの少年”と同一人物でも、違っていても、わたしは環くんの全てを受け入れる。
それくらい、環くんが大好きなの。
「ねぇ、環くん」
「莉子ちゃん……っ」
「環くんのことを、教えて?」
環くんの淡い瞳が、揺らぐ。
わたしの名前を呼んでくれたことが嬉しくて、恋心が弾んだ。
短い静寂のあと、環くんが口を開いた。
「たぶん、莉子ちゃんの初恋の人は、俺だ」
やっぱり、そうだったんだ。
だからこんなにも、雰囲気が重なっていたんだね。
「八年前の春休み、孤独を忘れようと、この桜の木を眺めてたのを覚えてる」
「孤独って……?」
どういう意味?
環くんがいつも一人でいたことと、何か関係があるの?



