ドヤ顔の依世ちゃんは、ひと呼吸置いて、口を開いた。
「そのクッキーはね、莉子への『ありがとう』と『頑張れ』って気持ちを詰め込んだクッキーなんだよ」
「『頑張れ』?」
「うん。あたし、ずっと莉子の恋を応援してた。だけど、莉子が恋に苦しんでるところを近くで見て、今の応援じゃ全っ然足りないことに気づいたんだ」
そんなことない。
足りなくなんかないよ。
今までも、今も、依世ちゃんの応援は、ちゃんと届いてたよ。
「あたしにできることはなんでもしたかった。だから、昨日のお礼っていうのを口実に、クッキーを作ったの。『莉子、頑張れ』って気持ちを込めて」
眩しい笑顔が、弱気な心に刺さる。
わたしに、このクッキーはもったいない。
不釣り合いだ。
「『頑張れ』って言われても、もうフラれちゃったし……」
頑張ってもいいのか、わからない。
何をしても鬱陶しく思われそうで、怖い。



