なんでこんなところに写ってるの?
甘美な驚きが、胸に押し寄せる。
あやふやな記憶じゃない、鮮明にここに在る“あのときの少年”の姿。
やっぱり、似てる。
“あのときの少年”と環くん。
ううん、似てるなんてもんじゃない。
幼い顔立ちも、色素の薄い髪も、どこかを見据える瞳も、大人びた雰囲気さえも、全く同じだ。
記憶だけじゃ、自信がなくてはっきり判断できなかった。
だけど、この写真を見た今。
“あのときの少年”と環くんが、わたしの中で、ぴったり重なった。
「どういうこと……?」
他人の空似、と片付けられるレベルじゃない。
環くんと関係がないとは、考えられない。
環くんにお兄さんはいなかったはず。
不意に、先ほど環くんを病院で見かけたことを思い出した。



