そっか。
おばあちゃんとおじいちゃんも、もちろんお母さんとお父さんも、わたしみたいに恋をしてきたんだ。
そんな当たり前は、本当は奇跡で。
何年経っても、積み重なっていく。
「二人はお互いのどんなところに惹かれたの?」
素朴な疑問を投げかける。
二人はどのような恋をして、結ばれたんだろう。
どんなふうに生きてきたんだろう。
「そうだねぇ……」
おばあちゃんはお茶をすすって、目を細める。
「わたしは、おじいさんの太陽のような笑顔に惹かれたよ」
「へぇ~!」
過去を反すうさせながら話すおばあちゃんは、とても可愛らしかった。
「おじいさんはこう見えても、昔はいつも元気でね……」
「茜【アカネ】や」
話の途中で、おじいちゃんが遮った。



