わたしとおじいちゃんとおばあちゃんでちゃぶ台を囲み、合掌をしてお昼ご飯を食べ始めた。
大好きなコロッケを頬張る。
おばあちゃんの作る料理は、いつだって美味しくて、懐かしくて。
葛藤してえぐってしまった心臓と涙腺を、刺激する。
「左肩はなんともなかったのかい?」
「うん、異常なしだって」
「そうかいそうかい。よかったねぇ」
おばあちゃんのほっぺが、ほろり、とゆるむ。
葉上先生には診断結果と共に、恋の悩みに関するアドバイス……というか、一種の宿題を課せられた気がする。
『“今”を精一杯生きろよ』
何をどうして生きたらいいんだろう。
バスの中でずっと考えていたけれど、結局明確な答えは思いつかなかった。
もし、“今”を精一杯生きられたら、
環くんの隣を歩けるようになるのかな。