包帯も一時的に外された。 ガラスの破片で負った傷の部分を重点的に、左腕を調べ始める。 「莉子ちゃん、恋してるだろ」 「えっ!?」 検診の途中。 葉上先生が唐突に放った言葉に、思わず過剰に反応してしまう。 「な、な、何を言って……」 「お、当たり?」 「ぅえぇ!?」 間抜けな声が漏れて、葉上先生に笑われた。 なんでわかったんだろう。 顔に出てた? 「それ、検査に関係あるんですか?」 「いんや?」 「ないんですか!?」 じゃあ、なんで聞いたの?