どんな君でも、愛おしくてたまらない。





周りの女子のほとんどが、白い目ではなく、思いやりにあふれた目でわたしを見ていた。




「あの、や、矢崎さん」



クラスの女子が一人、わたしの名前を呼んだ。


初めて話す子だ。



「肩、大丈夫?」



その子に続くように、一人、また一人、わたしを気遣う言葉を贈ってきた。



話し方は少し縮こまっていて、ぎこちなくて、クラスメイトとしても遠いものだった。


けれど、ためらいながら声をかけてくれたことが、心底嬉しかった。



「うん、大丈夫。ありがとう」


そう言って微笑むと、クラスの女子は顔を見合わせて一斉に口を開いた。



「今までごめんね!」



何を謝っているのか、すぐに気づいた。




「謝る機会を窺ってたんだけど、勇気がなくて……」


「今更だって思うかもしれないけど、噂ばかりに気を取られて、矢崎さん自身を見てなかったことを反省したの」


「ひどいことして、本当に、本当にごめんなさい」



頭を深々と下げるクラスの女子に、わたしは戸惑いながら顔を上げるよう伝える。



依世ちゃんのほうをチラリと見たら、依世ちゃんは自分のことに喜んでいた。