「当たったのって、左?」 「あ、うん」 「それならなおさら、念のため、今日明日にでも病院で診てもらったほうがいい」 「いや、ホント、大丈夫だよ?」 「万が一って場合があるからね。心配なんだ」 環くんが、迷惑だって突き放したくせに。 どうして、また、優しくするの? 心配なんか、しないでよ。 環くんの、バカ。 ずるい。 ずるすぎるよ。 ほら、わたしは単純だから いとも簡単に、想いが積もっていく。 この想いをどうしてくれるの?