助かったぁ。 安堵しながら、体勢を直す。 一体誰が、わたしを助けてくれたんだろう。 「莉子ちゃん、大丈夫!?」 「環、くん?」 目の前には、動揺している環くんがいた。 環くんが、助けてくれたの? 心臓がキュッ、と甘く締め付けられる。 「ごめん、俺のチームがパス出しミスっちまって」 「そんな痛くなかったし、大丈夫だよ」 久しぶりに、環くんを近くに感じた。 久しぶりに、環くんがわたしの名前を呼んでくれた。 それだけで胸がいっぱいで、痛みなんか忘れてしまう。