悲嘆に暮れた過去を思い出すのは、今でも苦しくて息が詰まる。 それでも。 『怖がらなくていい』 ……うん、そうだよね。 環くんがくれた勇気が、一歩を踏み出す力となる。 「依世ちゃん」 「ん?」 「あ、あのね、」 話したかった。 知っていてほしかった。 依世ちゃんになら、打ち明けられる。 「わたしの秘密、聞いてくれる?」 依世ちゃんは、一瞬目を開いて。 わたしに顔をズイッと近づけて、大きく頷いた。 「なんでも聞くよ。聞かせて?」 依世ちゃんの澄んだ瞳が、わたしを射る。