初恋を反すうしていて、上の空になってました。
反省してます。
目の前では、依世ちゃんの言うとおり、体育館の右半分を用いてバレーの試合が行われていた。
いくつかのチームに分かれて、対戦しているらしい。
試合していないチームは、今のわたしと依世ちゃんみたいに脇で試合を観戦している。
ちなみに、女子はバレーだが、男子は体育館の左半分を用いてバスケをやっている。
「バレーは両腕を使うから、今回はあきらめて見学したほうがいいんじゃないの?って言ったの」
依世ちゃんの視線が、わたしの左腕に落とされる。
……そっか。
依世ちゃん、心配してくれているんだ。
血液の通っていない“ヒト”ならざる左腕だからか、治りが遅く、未だに包帯が巻かれてある。
依世ちゃんが心配してる理由は、自分をかばって傷を負った、というのもあると思うけど。
わたしの悪い噂も、少なからず含まれている感じがする。



