「見学って……どういうこと?」
「さては、あたしの話、聞いてなかったな?」
「うっ……」
図星を突かれ、「ごめん」と謝る。
言い訳のしようもありません。
「まったくもう。もう一回話すから、今度はしーっかり聞くんだよ?わかった?」
「はい!」
「よし、いい返事だ」
敬礼ポーズしたわたしと、どこかのえらいリーダーっぽく振舞う依世ちゃん。
どちらともなくプッと噴き出して、笑い合った。
そのせいで、先生に注意されてしまって、またこっそり笑った。
「それで、何の話をしてたの?」
「今日の体育はバレーでしょ?」
「…………」
「本当に始めから丸々聞いてなかったんだね」
「すみません」



