どんな君でも、愛おしくてたまらない。









友達でいることも迷惑だと言われてから、一週間が経ったある日。


今日も相変わらず、環くんに距離を取られている。




キーンコーンカーンコーン。

校舎中にチャイムが鳴り渡る。


昼休み終了の合図だ。



午後の最初の授業は、体育。


女子更衣室で制服から体操服に着替え、依世ちゃんと共に古びた体育館へ向かった。




体育館につながる渡り廊下。


依世ちゃんと喋りながら歩いていたわたしのすぐ横を、環くんが通り、わたしを追い越していった。



「た……」


環くん、と呼ぼうとして、唇を引き結んだ。



呼んだら、話せる。


だけど、そうじゃない。


わたしは環くんと、無機質な会話をしたいんじゃないんだよ。



壁などない、他愛のない話がしたいの。