たとえ環くんに嫌われても、何を言われても、どれだけ傷ついても。
この「好き」を「嫌い」に塗り替えられない。
それくらい、強く、熱く、恋に溺れてる。
「絶対に、嫌いになんかなれません」
「そっか、ならよかった」
消え入りそうな口調でもう一度言うと、琴平先生は柔らかく口元をゆるめた。
だからこそ、余計に、辛いんだ。
距離を置かれたって、想いは募る一方で。
とめどなくあふれる想いの塞ぎ方を、知らなくて。
この愛おしさを、壊すこともできない。
わたしと環くんの関係は、まるで糸のよう。
細くて、切れやすい、ほつれた糸。
結び目がほどけた糸は、二つに分かたれてしまう。
また結び直すことは、簡単じゃない。



