背を向けられたまま。 視線は絡まない。 それでも、いい。 昨日は逃げ出しちゃって、聞けなかったけど。 怖いのは変わらないけど。 もう逃げたくない。 今度こそ、ちゃんと聞かなくちゃ。 環くんの、答えを。 「友達として接するのは、環くんにとって、迷惑……?」 環くんの背中に問いかける声が、震える。 「ああ、迷惑」 環くんはこちらを見ることなく、はっきりと拒絶した。 答えは、わかっていた。 でも、やっぱり、胸が痛む。 せめて友達でいさせてほしい。 そんなの、わたしのわがままだ。