どんな君でも、愛おしくてたまらない。




さっきのおばさんたちと一緒。


クラスメイトも、わたしを遠ざけている。



おかげで、友達は一人もいない。



学校では、いつも、独り。




「矢崎莉子ってフツーじゃないんだろ?」


「その噂って実際どうなんだろうな」


「火のないところに煙は立たないって言うじゃん」



ざわり、と陰湿な視線を感じて、反射的に俯いた。



……あぁ、皆が、見てる。


煙たがってる。



やだな、怖い。

どうせなら、わたしを放っておいてくれればいいのに。


どうして、見てくるの?




「――バケモノだっていう噂もあるよな」




誰かがボソッと呟いた声が、脳内でガンガン響いた。