沈黙も、返事を聞くのも、怖い。
せめて、友達でいたいよ。
「じゃ、じゃあっ、また明日ね」
わたしは沈黙が途切れる前に、早口でそう言って、環くんの別れの挨拶を待たずに公園を飛び出した。
……どうしよう。
どうしよう。
また、逃げちゃった。
前髪を切っただけじゃ、やっぱり変わらない。
全速力で走っていても、ちっとも前に進めていない気がして。
息だけが苦しくなっていった。
前に進み続けるのは、難しいな。
瞬きをすると、涙が一つ流れる。
今になって、自惚れていた恥ずかしさと失恋した悲しみが、同時にあふれてきた。
それでも、環くんへの「好き」を告白したことに、これっぽっちも後悔を感じなかった。