環くんと出会って、まだ間もないけれど。 わたしにとって、環くんは、唯一無二の特別な存在。 誰よりも大切な人。 ――好き。 水たまりに水滴が一粒滴り落ちたように、たった二文字の想いが心のひだまりにあふれた。 きっと、環くんに“あのときの少年”の面影を追いかけていたときから、この恋は始まっていた。 依世ちゃんは、わたしの表情を鏡越しに見て、柔らかく目を細めた。 「自覚したみたいだね」 「……うん」 今、はっきりわかった。 好きだ。 環くんのことが、好きなんだ。