お誘いメールを送らなければならないと言っていた綾美から連絡をもらうことはないまま、新たな1週間を迎えた。
日曜日の午後、綾美ではなく咲菜からはメールが届いた。相当暇だったらしく、今すぐに会いたいという内容だった。
私は宿題を教えてもらいたいということもあり、あっさりオーケーを出し日曜日は咲菜と過ごした。
今は、弁当を食べ終えたあとの綾美の話が長く、なかなか散歩が始められないので少々強引に教室を出てきた頃。
私はすぐ近くにある中央階段は使わず、西階段へ向かった。
その西階段への通り道に、芹沢くんと話した大きめの窓が並ぶだけの場所がある。
少し歩いてその場所に着き、窓から外を見てみた。空は綺麗な青色をしており、そこに浮かぶ真っ白な雲は目に見える速さで動いている。地面では、鮮やかな緑色の草が激しく揺れていた。
時期は4月中旬、風が強い日が続いている――。そろそろ校門前の桜も散ってしまう頃かなと思った。
授業中にお花見ができなくなってしまうのは寂しいけど、結構な間咲いていてくれたと思う。



