綾美にばかにされながら昇降口を出ると、明日は休みだから嬉しいねと話しながら自転車置き場へきた。
「ああ……。なんかなあ……」
自転車のかごに鞄を入れると、綾美が不満気な声を発した。
「どうしたの?」
自転車のかごに鞄を入れながら返す。
「いやさ、暇なんだよね。明日も明後日もその次も」
「“その次”は学校だけどね」とばかにし返せば、綾美は「そうなの?」と斜め上の返しをしてきた。
「はあ。……そうだ、暇つぶしの相手してくれない?」
「は?」
「いやいや、難しいことじゃない。連絡先交換しない? これからお誘いメールどしどし送んないといけないからさ」
別にいけなくはないと思うけど、と浮かんだ思いを言葉にするか迷っているうちに、綾美は自転車のかごに入れた鞄から携帯を取り出した。
私も慌てて携帯を取り出し、久々の操作をする。最後に誰かと連絡先を交換したのはいつだっただろう。
「……よしっ、サンキュー」
「ううん。帰ろっか」
「そーね」
自転車にまたがり置き場を出ると、綾美とは少しの間同じ道を走り、「じゃあね」と言って十字路のような場所で別れた。



