ここにきて15分くらいは経っただろうか。変化のない足元を見ているのは眠気を誘い、何度目かのあくびが出た。そしてふと、芹沢くんの言葉を思い出した。
いつも廊下にいるのかと訊いたとき、彼はその日によると言っていた。忘れていたのは私の方だった。
もし昨日や今日が廊下にいる日ではなかったら、ここで何分待ったって会えるわけがないのだ。
もう最悪、なんで覚えてないかな、と心で盛大に愚痴り、実際に深いため息をつき、髪の毛を掻き上げて左手首の時計を確認した。
足元を眺めて過ごした時間は15分どころではなかった。長針は数字4つ半くらい進んでいた。どうやら20分以上も経っていたらしい。
正確なのは腹時計だけだなと思った。昼間の12時と15時だけはきちんとわかるのに、何分経ったかはまるでわからない。
お腹の空き加減でどれくらい経ったかもわかればいいのにと思いながら、残りの5分ちょっとをどうするか考えた。



