想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


そして『1年2組』と書かれた紙の中に、自分の名前である笠原 愛(かさはら あい)の文字を見つけた。

同じ紙の中に、藤井 咲菜の文字は見つけられなかった。『1年1組』の紙の中にもなかった。


咲菜は何組になったんだろう、と思いながら昇降口の中に入ると、そっと肩を叩かれ、振り返ると咲菜がいた。


「咲菜。何組だった?」

「ウチは3組。愛は2組だよね」

ばっちり見といたからと親指を立てる咲菜の背中を、さすがじゃんと叩いた。


「ああ、でもなあ……」

上履きに履き替えながら、咲菜は不満げな声を出した。

「なに?」

同じように上履きに履き替えながら返す。

「いやさ、どうせならもっと離してくれたらよかったと思わない?」

「ええ。嫌だよ、隣だって残念だと思ってるんだから」

私が口を尖らせると、咲菜も「だってさあ、悔しくない? 隣って」と頬を膨らませた。

そして小さく息を吐くと、咲菜はお賽銭でもするように手を叩いた。


「はいっ、来年は絶対に同じクラスでありますようにっ」

「本当だよ」

咲菜がいなかったら、授業中 誰に勉強教えてもらえばいいのよ、と心の中で愚痴ってから、心の中で咲菜の言葉を繰り返した。