想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


嬉しい青空の朝、新鮮味のなくなった通学路を走る。少し前の通学路よりも、ずっと明るい気分で。今までよりも気分が明るいのはきっと、1日の楽しみができたから。

私はもう、本気で芹沢くんと友達になろうとしている。そして、絶対に友達になれると思っている。

こんなにも芹沢くんに興味があるのは、綾美に止められているからなのだろうか。

難しいことを考えるのは好きじゃないからあまり気にしないけど、今から昼休みが楽しみで仕方ない。

昨日あれだけ話せたから、今日はもっと話せるかな、なんて思っている。


しばらく心地いい春風を受け、自転車置き場へ着いた。遅すぎでも早すぎでもない、ちょうどいい時間だ。

とめられている自転車は少なくないけど、生徒はほとんどいなかった。顔も知らないような生徒が数人いるくらいで、綾美も咲菜もいない。


「したらさあ、ポケットにそれ入れたままコンビニ行っちゃったの」

「本当、そういうとこあるよな」

「いやあ本当、余計なサービスはしない方がいいね」

「ハハッ」


鞄を手に取ると、男子2人の話し声が聞こえた。そちらを見てみると、芹沢くんと大野くんによく似た2人の男子生徒が昇降口の方へ歩いていた。

もしかして最後に聞こえた笑い声は芹沢くんのものだろうか、なんて思ってみると、なんだか特別な場面に遭遇した気分になり、自然と笑みが浮かんだ。