愛の部屋から、いつか渡したネックレスを持ってきた。彼女をここに呼ぶためだった。

ネックレスは、高校の頃に俺が射的でとった景品のぬいぐるみが持っていた。大切にされているなと思いながら、なくなったこれに気づいてくれることを願った。しばらく待って来なかったら、おとなしくネックレスを返して今の自分がいるべき場所へ戻ろうと思っている。


俺が今ここにいるのは、たった1つの願いを叶えるためだった。愛に、言葉では表しきれないほどのありがとうと大好きを伝えるのだ。

こんなことをして愛のためになるとは思っていない。むしろ彼女を悲しませるだけだと思っている。想いを告げたらごめんと言いたいところだが、それは今日、決して言わないという気でここにきた。ごめんなんて言ったら、愛はもっと悲しみそうだから。

2つだけ、ありがとうと大好きを伝える。