咲菜と会った日からちょうど1週間。この日は昼まで仕事だった。
ロッカーの前でなんとなく携帯を確認すると、奏から1件のメールが来ていた。瞬と私と3人で話があるので予定がなければ連絡してほしいとのことだった。なんとなく嫌な予感がした。
たった今まで仕事だったので返信が遅れた、今から行けるが――という内容を返信し、私はバッグと共に店を出た。
ちょうどその頃に奏から返信が来た。今からでいいので瞬の家に来てほしいとのことだった。『了解』の2文字を返し、私は瞬の家へ自転車を飛ばした。
息を切らし、感覚がなくなりかけている指でチャイムを鳴らすと、芹沢家の人間のように奏が出てきた。
「ごめんね、今日仕事だったんだ」
疲れているのに申し訳ないと言う奏に全然大丈夫だよと笑う。
「ちょっと最近、わちゃわちゃしてて」
言いながら、なんとか呼吸を整えた。
それより瞬はどこにいるのかと尋ねると、リビングにいると返ってきた。
「あ、入って」
僕の家じゃないけどと笑う奏のあとに続き、リビングへ向かった。



