それからの1週間弱はやたら短く感じた。3月1日、気温は少し低いものの空は青く澄んでくれたこの日は、私たちの卒業式だ。いろいろあった高校最後の1年間だったけど、卒業させてくれた先生たちには感謝してあげている。

退屈で、少し寂しい気もする卒業式を終えると、私は瞬と奏と、ほとんど人のいない場所にきた。おつかれ、と交わし合うと、私は「全部終わっちゃったね」と呟いた。

「そうだっ、思い出にってことで写真撮らない?」

私が提案すると、特に奏が賛成してくれた。私はブレザーのポケットから携帯を取り出し、カメラを起動させた。

「いくよ……?」

3人でポーズを取り、3秒のカウントのあと、私はシャッターを切った。3人で写真を確認し、奏と連絡先を交換して2人の携帯に写真を送った。


「よしっ。じゃあ……またね」

私は携帯をブレザーのポケットにしまいながら、2人に別れを告げた。

「おう。頑張れよ」

「うんっ。みんなも頑張ってね」

「ありがとう」

自転車置き場の方へ後ろ向きに進みながら、私は2人に大きく右手を振った。

「バイバーイ」

「じゃあな」

しばらく手を振り続け、私は咲菜のいる自転車置き場へ走った。