しばらくして瞬が1番に上がったけど、彼が自慢気に「上がった」と言う前に、私と奏の視線をあの日のように火花が結んだ。今回は私がジョーカーを持っている。この2枚から奏が1枚引くとは、私はついている。ジョーカーは持っているものの、まだ負けが決まったわけではない。
「さあ。キュートボーイ、カナタ。2分の1の確率だ。どちらを引く?」
「ふっ……アネストガール、アイ。全て顔に出てしまうような君には負けないよ」
奏は発音のいい英語を混ぜて言うと、一瞬の迷いもなくジョーカーを引いた。少し悔しそうに私を見る。
「君もポーカーフェイスが上手くなったようだね」
「そんなこともないさ。君がもっていないだけだよ」
この勝負はもらった、とかっこつけて勢いよく奏のカードから1枚引いたものの、ジョーカーが帰ってきただけだった。



