奏は会場の出来にも驚いてくれた。

私たちも、正直会場の華やかさには自信があった。テーブルには、派手に盛り付けた万人受けしそうなお菓子と無難なサイダーが並び、昨日よりもずっとパーティ会場らしくなっている。

「昨日、瞬が教えてくれたの。今日が奏の誕生日だって」

「えっ、じゃあ昨日飾ったの?」

「そう。飾りを買ったのも飾ったのも、計画立てたのも昨日」

「すごーい。僕幸せ」

「よかったよかった。お菓子も食べて? この日のためだけに買ってきたから」

私の少し恩着せがましい言葉に、奏は「今までで一番嬉しい誕生日」と言って透明のグラスに入れたスティック状のお菓子をつまんだ。チョコがかかった、美味しいやつだ。私も瞬も同じものをつまんだ。