奏が靴を脱いでいる間に、部屋が散らかってしまったので今日はリビングで過ごすと伝えた。
私が前を歩き、先にリビングに入った。続いて奏が入ると、同時に瞬がクラッカーを鳴らした。一度体を震わせただけでぽかんとしている奏に、今度は私が赤のパーティ帽子を被ってクラッカーを鳴らした。だけど奏に大きな反応はなく、スベってしまったのかと思っていると、「びっくりしたあ……」と奏が真剣に言った。
「ちょっと待って、本当に心臓止まるかと思った」
なになにと繰り返してリビングを見回す奏に、私と瞬はもう一発、今度は「ハッピーバースデー」の声と共にクラッカーを鳴らした。
「奏くん18歳おめでとうっ。瞬くんこれは……? サプライズ……」
「大成功ー」と満面の笑みで言ってくれた瞬とハイタッチした。
「待って、なにこれ?」
「奏の誕生日パーティ」
まあとりあえず座ってと誘い、奏をソファに座らせた。



