1週間前に春休みが明けた。高校最後のクラス分け、私は5組だった。


瞬と奏は2人仲よく1組。あの2人と同じクラスになれなかったのは想定内。彼らは、2年の3学期に選ばされた選択科目で小難しい方を選んだのだ。私は今まで通りの道を選んだ。


問題は、またしても咲菜と引き離されたことだ。勉強内容も難しくなってきているというのに、このタイミングで咲菜と引き離すとはどういうことだ。

隣なのだから休み時間にでも遊びに来ればいいじゃないかと咲菜は笑っていたけど、私にとって隣だろうと2つ3つ離れていようと関係ない。咲菜と引き離されたということに絶望を感じているのだから。


ため息をついて1年の頃と同じような場所の席に座った。あの頃と同じような気持ちで窓の外を眺める。こうしていたら綾美に声を掛けられたんだよな――と当時のことを思い出した。


今回は綾美とも違うクラスにされた。彼女が何組になったかは見ていないけど、3年5組のクラス表に『栗原 綾美』の文字が見つからなかったときには少し安心した自分がいた。

あれから一度も話していないというこの状態で同じクラスにされたら、自分たちの間に最高に気まずい空気が流れることは目に見えている。


しばらくの間 校門の先に続く薄紅色の道を眺めていると、前方のドアが開けられた。