私に冬が訪れてから25日。街は特別な雰囲気に包まれ、赤と緑に染まっていた。


淡い黄色のニットに薄めのピンクのロングダッフルコート、ぴったりとしたジーンズに髪型はハーフアップという史上最高のおしゃれをした私は、大好きな芹沢くんと一緒にゴールドの光の中を歩いている。辺りは素敵な男女でいっぱいだ。

芹沢くんはシンプルな白いニットにグレーのロングコート、下はジーンズという出で立ち。背が高いからロングコートが似合う。


「ふふっ」

変なことを考えていたら笑ってしまった。

「ん?」

「2人でこういうところにいたら、私たちも恋人同士なんかに見えるのかな、って」

「ああ。……なっちゃう?」

「はっ?」

意味がわからなかった。芹沢くんが本気で言ったのか冗談で言ったのかもわからなかった。

真意を聞こうと綺麗な顔を見つめていると、芹沢くんは戸惑ったように目を逸らした。