どいつもこいつもダンボールダンボール言いやがって。ただのダンボールにあれだけの高級感をまとわせるのにどれだけの知恵と技術を必要としたことか。

心の中で愚痴を漏らしていると、咲菜が「愛ちゃんおっかないっすねえ」と言いながら近づいてきた。

「槙野と西宮が震えてたよ」

「そんなわけないでしょ」

散々ダンボールダンボール言っておいて。

「あの人たち大袈裟なんだよ」

咲菜は苦笑し、そうだ、と言った。

「どうせだから入らない? 我ら2年3組の『フルーツ★男子』」

「えー、咲菜が行ってきなよ」

「嫌だよ、1人で男子ばっかのとこ行くなんて」

ちょっと前は常にそんなようなもんだったじゃん、と私は呟いた。

「ほら、行こっ」

「ちょっ、巻き込み事故……」

咲菜は私の腕を引き、2年3組の教室へ入った。