想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


綺麗な星空の下、蚊取り線香の匂いを嗅ぎながらの手持ち花火。

火の点いた ろうそくに近づけると、手元の細い棒から勢いよくカラフルな光が飛び出した。少しだけ辺りが明るくなる。

「きれーい」

続いて芹沢くんや奏の花火もカラフルな光を放った。

「手持ち花火っていいよね。で最後はさ」

「線香花火で」

「そうっ。あの儚い感じが堪らない」

今日初めて奏と気が合ったな、と思った。

「ちゃんとあるよ、線香花火」

奏は花火が入っていたバッグをちらりと見て言った。

「おっ、最高」

心の底から言うと、奏は嬉しそうに笑った。

こういう顔を見ると、男のくせにかわいいな、と思う。こちらは女なのに、負けている気さえするほどだ。

昼間のスイカ割りのときも思ったけど、奏は本当にかわいく笑いやがる。芹沢くんとはまた違ったかわいさだ。

見た目も性格も綺麗に反対な2人。2人とも大好きだけど、奏はやっぱり友達だな、と思う。

ふと、自分は芹沢くんにどう映っているのだろうと気になった。


「あ、終わった」

私の花火につられるように、2人の花火も終わりを迎えた。水の入ったバケツに燃え尽きた花火を放ると、シュッと小さな音がした。


2本目の花火は3人で同時に選んだ。

火を点けてみれば色も形も見事にばらばらで、自分たちで笑ってしまった。