財布の中を空にして店を出ると、「まじで買って来やがった」と芹沢くんは笑った。

「買うよー?」

あのガラスのネックレスだって、お小遣いが足りていたら間違いなく買っていた。


かなり満喫した放課後だったな、と思いながら腕時計を確認すると、5時半前という他人を連れ回していたと なるとかなり遅い時間になっていた。

「ごめん、遅くなっちゃったね。いろいろと大丈夫?」

「ああ、俺は全然。明日 明後日休みだし」

「いやいや。ごめんね、帰ろっか」

今日の宿題は咲菜に教わろうと決め、再び大きな笹を目指して歩き出した。

ここからはそう離れてはいないはずなのに、急いでいるとかなり遠く感じる。