想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


それから結構な時間、綾美の2人に関する語りは続いた。それが終わった頃には昼休みはほとんど終わっていて、今は再び授業を聞き流している。

お弁当を食べ終えて残った30分ほどの時間で、2人に関する情報をだいぶ得た。しかも綾美の説明が上手かったのか、どれもちゃんと覚えられた。

小柄で黒髪の色白男子が、オオノ カナタ。漢字は大野 奏と書くらしい。

長身で茶髪の小顔男子が、セリザワ シュン。彼は芹沢 瞬と書くらしい。

身長は、170センチと175センチらしい。

見た目ほど変わらないのだなと思った。それを言うと綾美は、結構変わるように見えるのは芹沢くんの頭身数のせいじゃないかと言った。

確かに芹沢くんの頭身数はすごくて、8.5頭身とかぶっとんだ数字を綾美は言っていた。顔は小さいと思ったけど、そんなにすごいとは思わなかったのでかなり驚いた。


私は今回も斜め後ろの綾美を見た。4時間目のときとは違い、真面目にノートを黒く染めている。私もそれを見習うように、シャーペンを握り直して右手を動かした。