さらに1週間ほどが経つと、平凡な学校生活に変化が現れた。

綾美や咲菜とはもちろん仲よしだし一緒に話したりもするけど、それよりも芹沢くんや奏くんと過ごすようになっていた。

もちろん、向こうから来たのではなく私が2人の中に突っ込んでいったのだ。

芹沢くんには毎度、よく男2人の中に入って来れんな、とか、また来やがった、と言われる。だけど私はそれを楽しんでいたりもする。

私は今日も、窓のそばにいる2人の世界に飛び込んだ。

「よっ、仲よしコンビ」

ぽんっと2人の肩を叩くと、奏くんは驚いたように私を見て、芹沢くんは「またお前か」と片方の口角を上げた。

「今日も邪魔が入った」

「ひっどおい。嬉しいくせにい」

私が肘で芹沢くんの腕を突くと、彼は私が見えていないように窓の外へ視線を移した。奏くんはそんな私たちを見て、楽しそうに笑っている。

そして、「瞬くん、嫌がってはいないよ」と小声で教えてくれた。

「瞬くんに本気で嫌がられてたら、普通の人じゃ近づけないから」

奏くんは小声で続けると、にっこり笑った。

「私が異常なんじゃないよね?」と確認すると、奏くんは「大丈夫」と頷いた。