想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


「……ん、男の子?」

少し先に見えたのは、こちらへ向かって歩く2人の男子生徒だった。長身な人と、小柄な人。2人は、見た目はまるで違うけど放つ雰囲気はどことなく似ている。冷たそうだというのと、謎。この2つに尽きる。


「見えた?……そうそう。かっこよくない?」

綾美は嬉しそうに言うけど、長身の方の顔はよくわからない。顔のよさよりも、頭身数の方が気になってしまうくらい顔が小さいのだ。


彼――長身の人は、作る人がなにを間違えたのか、体型がわからないほど大きめの学ランを着ている。髪は全体的に少し長めで、前髪の一部が明るい金から白くらいの色に染められている。前髪のその部分以外は、茶色い方だけど地なのか染めているのかはわからない。

そんな人の隣を歩く小柄で色白な人は、学ランのサイズ感もぴったりで、一見 長身の人とはまるで違う雰囲気。髪の長さ自体は長身の人よりも長いくらいに見えるけど、色は真っ黒だ。

形は、前髪がかなり重めで もはや女子のショートボブに近く、くせ毛なのか全体的にふんわりしている。普通にかわいい髪型だけど、男子であれが似合うのはすごいと思う。

顔は丸顔だけど小さくて、体調のほうが心配になるくらい色が白い。顔のパーツだと、長めの前髪から覗かせる大きく丸い目が特徴的だ。黒目も大きそうだから、きっとかわいい系を極めた感じの人だと思う。