咲菜がふっと息を吐のを感じ、我に返る。
「普段の2人は、めちゃめちゃ真面目だよ」
「えっ、本当?」
「ウチが嘘つけないの知ってるよね?」
「……まあ、知ってるけど」
綾美の言っていた2人とあまりに違いすぎて、少し驚いた。咲菜が嘘をつけないのはよく知っている。仮に嘘をついていたとしても咲菜ほど下手な嘘なら私でも見抜ける。
「うーん、とりあえず真面目。成績も結構いいんじゃないかな。授業中指名されたりするとさ、ぼそっと満点の回答すんのよ」
それがちょっとむかつくんだよね、と咲菜は笑った。
「じゃあ、不良ではないんだ?」
「不良? あの2人が?」
咲菜は「そんなわけないじゃん」とばかにするように笑い、顔の前で手を振った。
「そっか」と苦笑する私の頭の中は、綾美からの情報と咲菜からの情報との大きすぎる違いに混乱していた。



