授業はかなり退屈だった。教師が話す内容は当たり前とも感じられるようなことばかりで、途中何度も眠りそうになりつつ、なんとか昼休みを迎えた。
所々に数人が集まっている中、僕は1人で弁当箱を開けた。中身は、冷蔵庫の中にあったもので適当に作った数品のおかずと白米、少し旬の過ぎた果物だ。
小学生の頃、班を組むときは共に行動していたような友人に弁当箱を覗かれ、「セレブってるな」と言われたのを覚えている。しかし果物に囲まれて育った僕には、なぜ彼らがそんなことを言うのかわからなかった。
5回に1回ほどの頻度が当たった失敗した玉子焼きをかじると、4時間目の後半辺りから寝ていた瞬くんが教室を出ていった。



