想い舞う頃〜最初で最後の恋〜


教室の雰囲気が完全に昼休みのものになると、あちこちに3〜4人のグループができた。

私は綾美と向かい合うような形で机を合わせ、中身を思い出したお弁当箱の蓋を開けた。思い出した通りにおかずたちが並んでいる。決してかわいくはない、すごくよく言えば、シンプルな中身。

ちょうど唐揚げを頬張ったとき、「あっ」と綾美が声を上げた。

「……どうした?」

箸の先をくわえたまま言う。

「そうそう。愛、このあとって暇?」

「昼休み? うん」

暇なのは昼休みに限ったことじゃないけど、それは内緒。

「そっ。よかったあ」

綾美は嬉しそうに笑うと、綺麗に作られた玉子焼きを頬張った。白いところ全然ない、と思いながら唐揚げを飲み込むと、私はそのまま白米を口に入れた。


「……ん、このあとってなにかあるの?」

なるべく自然に訊いてみると、「秘密っ」と楽しそうにもったいぶられた。そこそこだった興味が倍増した。

「そっか」

私は残念な気持ちをそのまま声に出すと、水筒の中身で喉を潤した。